今回、西日本を中心に歴史的な豪雨による被害がありました。
大阪での地震から日を経たずしての災害だっただけに、やはり日本は災害大国だということを再認識した次第です。
まずは、この度被害に遭われた方々へ、心よりお見舞い申し上げます。
過去の記事でも書いていますが、僕がオーストラリアに来た理由のひとつは「地震災害から逃れるため」です。
2005年に移住したので、2011年の東日本大震災の被害には合っていません。
もしあの時、まだ東京に住んでいたら、どうしていただろう?
子供への放射能被曝や食べ物による内部被曝を考えたら、居ても立ってもいられなくて、とりあえず妻と子供だけでも沖縄あたりに一次避難させていたかもしれません。
この地球上で災害が全くない国はありませんが、比較的災害が少ない国に移住することで家族の身を守れる可能性は高くなります。
もちろん、治安がいいエリアに住むというのが前提ですが。
今回は、災害が起きない場所への移住(国内&海外)について僕なりの意見をまとめてみます。
自然災害の少ない場所へ移住するという考え方
出典:photo AC
地震、台風、大雨、大雪、といった自然災害は、人間がコントロールできるものではありません。
東日本大震災を例に上げるまでもなく、大地震ともなれば、二次災害もふくめて多くの人の命を一瞬にしてさらってしまう威力があります。
自然の脅威の前に、人間は無力です。
事実、世界で起きるマグニチュード6以上の地震の20%は日本で起きていて、南海トラフ大地震や東京への直下型地震はいつ来てもおかしくありません。
過去に起きた災害を振り返れば、いつ我が身に災害の危機が降りかかるかもしれないと思うことは当たり前のこと。
ましてや家族がいる身なら、家族の安全を考えて常日頃防災のことを考えたり、万が一のときのことを考えて水や食料を備蓄したりすることでしょう。
僕も40年そこそこの人生ですが、地震だけでも阪神淡路大震災、新潟県中越地震などを目の当たりにしてきました。
運良く被災はしませんでしたが、大地震の現実を思い知らされたこと、そしてこれから来るだろう大地震の存在を考えた末に海外移住を考えました。
もう、かれこれ15年くらい前のことです。
新潟中越地震が発生したときは、埼玉県で仕事をしており、ちょうど車に運転中でした。
信号待ちをしているときに、「なんか揺れるなぁ、最近忙しいから目眩?」なんて思って車外を見てみると、近くのセブンイレブンの中が揺れているのが見えました。
「あっ、地震!?」
たしかあのとき、埼玉で震度4くらいだったと思いますが、それでもかなりの揺れを感じました。
あとあと、ニュースで新潟が震源地と聞いて、埼玉でこれだけ揺れてたなら、新潟はどれだけ揺れたんだろう?と恐ろしくなったことを今でも鮮明に覚えています。
数ある自然災害の中でも、やはり地震(大地震)が一番恐ろしいです。
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海溝型の地震であれば津波の被害もありますし、震源地の近くに原発があれば、甚大な二次被害も起こり得ます。
僕が当時、移住をする上で一番優先したのが「地震がない国に移住する」ということでした。
「君子危うきに近寄らず」ということわざが示すとおり、一番の防災は、地震でいうならば地震が起きない場所に身をおくことです。
まったく災害が起こらない、起こる可能性がない場所はないにしても、起こる可能性が低い場所は存在します。
いろいろと調べた結果、僕が選んだのが、ここオーストラリアでした。
(もちろん、オーストラリアを移住先に決めた理由は他にもあります。)
少なくとも、オーストラリアに移住してからの現在までの12年間で地震の揺れを感じたことは、だたの一度もありません。
オーストラリアでも地震は起きますが、プレートの上に大陸が乗っかっているため、大きな被害が起こりにくいのです。
統計によると、1989年にニューサウスウェールズ州のニューカッスルで起きたマグニチュード5.6の地震で13人が死亡、160人以上が怪我をするというのが最大ですね。
個人的に体験したオーストラリアでの自然災害といえば、2010年の年末にケアンズからゴールドコーストへ引越しする際、ブリスベンエリアを中心とした大雨による洪水被害がありました。
あのときも洪水がひどくなる10日前にゴールドコーストに引越してきたので運良くまぬがれました。
その後、ゴールドコーストに住んでからは、特にこれといった自然災害にはあってません。
日本国内への移住についてはどうか?
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海外移住は敷居が高い、言葉の問題もあるし、やっぱり移住するなら日本国内がいい、という方も多いでしょう。
日本で以前、僕が働いていた会社でも、沖縄や北海道に移住した同僚がいましたし、今や国内の移住もそれほど珍しいことではないですね。
「田舎暮らし」や「第二の人生」と題して、地方への移住を特集にしている雑誌を見かけた方も多いでしょう。
ふるさと暮らし情報センターが調査したデータによると、地方への移住希望の相談件数は2008年には2,475件だったのに対し、2017年には10倍以上の33,165件と大幅に増えています。
そして同センターが調査した、2017年の希望移住先ランキングは、1位が長野県、2位が山梨県、3位静岡県。
その他、岡山県、島根県、広島県なども上位に入っています。
驚いたのは、福島県が10位以内に入っていること。
しかも地震が起きた2011年からでも常に上位をキープしています。(震災前の2009年、2010年は1位)
福島県の場合は、Uターン希望者が多く、地元に帰って復興に協力したいという人が増えているそうです。
実際、20代、30代ではUターン希望者が地方都市に移住したいケースが多いとのこと。
移住先選択の理由をみると、なるほど!と思いました。
「就労の場があること」、「自然環境が良いこと」、「住居があること」、「交通の便が良いこと」、「気候が良いこと」が上位の理由。
このデータがすべてではありませんが、自然災害を理由に国内移住をしたいという人は少数派のようです。
日本でも、自然災害が少ないエリアは存在するのでしょうが、日本は国土が小さいため他のエリアで起きた災害を間接的に受けてしまう可能性が高いです。
事実、今回の西日本の豪雨では、自然災害が少ないといわれる岡山県でも大規模な被害が起きました。
そういった意味では、災害を免れるために国内で移住するという考え方自体があまり意味を持たないのかもしれません。
岡山県や広島県は活断層も少なく、過去の歴史をみても災害は少ないので移住先としてはアリだと思いますが、個人的には、島根原発、伊方原発、そして九州の玄海原発との位置関係を考えると選択肢から外れますね。
オーストラリアで考えられる災害と危険度は?
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かといって、オーストラリアにも自然災害はもちろんあります。
先に紹介した、洪水被害もそうですし、毎年ヴィクトリア州を中心に大規模な山火事も起きています。
僕が住むクイーンズランド州にはサイクロン(熱帯性低気圧:日本でいう台風)が来ます。
地震の被害もゼロではありません。
直下型である程度の規模の地震で、震源地が浅かった場合は、ヤワなオーストラリアの建造物の多くに被害が出るでしょう。
また、国土が広いため、主要都市同士が離れているため、救援物資の運搬などにも時間がかかりそうです。
オーストラリアに移住する際には、気候や治安などと合わせ、こういったリスクを考えて住むエリアを決めるといいでしょう。
例えば、ゴールドコーストなら洪水被害を考えて、海から離れた高台に住むのがリスク度は下がります。
以下のサイトの左横にある「Overlays」をクリックして「Flood」にチェックをすると、どのエリアが洪水の被害が起こりやすいかがわかりますので参考にしてください。
結局オーストラリアにいても、想定される災害に対して意識することは大切だということです。
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災害から逃れることはできない!
結局のところ、どこに住もうが完全に災害から逃れることはできないです。
それでも、災害にあう確率をゼロに近づけたいと思うなら、世界でもっとも災害の少ない国として名高いカタールやマルタ共和国あたりに移住するしかないでしょう。
実際のところ、それらの国への移住は簡単ではないと思いますが・・・。
ただ、リスクの度合いを下げることはある程度可能です。
日本国内にいてもたとえば、東海大地震が来たときにどうするのか?を常日頃考えておく。
自分の住む土地にどんな災害が起こるのかを知っておくだけでも違うと思いますよ。
とくに、地震と地震による二次被害については、くれぐれも注意してくださいね。
海外移住は簡単じゃない!覚悟が必要
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生まれ育った国、住み慣れた国を遠く離れて、異国の地に移住するということは、決して簡単なことではありません。
人は、環境が変わるとストレスがかかりますよね。
とくに、言葉や文化が異なる国で住みはじめた頃は、かなりのストレスがかかります。
日本では当たり前だったことが当たり前じゃない、日本の常識は通用しない、伝えたいことの半分も伝わらない、伝えられない。
そんなストレスを抱えながらも生きていなかければいけません。
「あ~、こんなことなら日本にずっといればよかった。。。」
「あ~、もう日本に帰りたい。。。」
「こんなにお金がかかると思わなかった。。。」
何度そんな思いを抱いたことでしょうか。
多かれ少なかれ、海外移住した人はそんな思いを抱くのです。
海外移住をしてバラ色の暮らしを送っている人を横目に、後悔してひっそりと日本に帰る人もたくさんいる事実があることを知っておきましょう。
日本国内の移住でも、生活習慣の違い、気候の違い、付き合う人が変わるという点でストレスを感じるものですが、海外移住でも残念ながらストレスフリーというわけにはいきません。
旅行で訪れた国が気に入って、日本はこの先どうなるかわからないし、将来はここに住みたいわぁ、なんて思う人も多いですが、旅行というのは、帰る場所があるから楽しいのです。
帰る場所=日本=住み慣れた国です。
でも、そこが定住の地となった瞬間に、帰る場所がなくなってしまいます。
なくなってしまうというよりも、帰る場所=移住した地に変わるのですね。
年に1、2回程度一時的に日本に帰国することは除いて、生活の軸は移住した国に移るわけです。
いろんな意味で頭が固まってしまった自分が、外国で、ストレスを抱えながら生活をする、仕事をする、言葉を覚える、降り掛かってくる様々な問題に対処する。
それに耐えられるのか?
移住当初は、理想と現実の違いをまじまじと見せつけられて、もうイヤだ!と愚痴りたいときもありました。
そして、、、
いつまでも日本に住む親は若いままではありません。
親が死ぬまであと何回会えるのか?なんて考えることが増えてきます。
海外へ移住するというのは、いい意味でも、そうでない意味でも家族全体、場合によっては親戚をも巻き込むことです。
海外移住したい、という人は、今一度そういったことを克服しても移住する意味を考えてみることをオススメします。
いろんな意味で覚悟を決めないと、移住はムリです。
僕の家族も、ストレスを抱えながらも、もうかれこれ人生の4分の一をオーストラリアで過ごしています。
今では、オーストラリアが第二の故郷になりました。
一時帰国で「日本に帰る」、といいますが、オーストラリアに戻るときはいつしか、「オーストラリアに帰る」という言葉を使うようになりました。
あと何年、この国に住むのかわかりませんが、今はぼくたちの定住の地であることは間違いありません。
【あと書き】
日本は素晴らしい国です。
日本に住んでいたときよりも、オーストラリアに住んでから日本の素晴らしさを感じる機会が増えました。
地震がなければ、海外移住を考えることもなかったでしょう。
地震の怖いところは、予知できないことです。
予知できないから、気にもとめない人がほとんど。
他の地域で災害が起きたことをニュースで知れば、多少は気にはなるものの、喉元をすぎればいつしか忘れてしまうのです。
阪神淡路大震災しかり、新潟県中越地震しかり東日本大震災の福島の原発事故しかりです。
「今後30年のあいだに〇〇地震が起こる可能性は80%」なんていわれても、明日くるかもしれないし、20年後に来るかもしれない、はたまた30年経って結局来ないかもしれない。
そんなのは予知でもなんでもありません。
頭のよい学者さんがどれだけ研究を繰り返しても、地震予知はこの程度のレベルです。
大切なのは、常に防災意識をもつこと、そしていざ災害が起きたときに、家族の身を守るにはどうしたらいいかを考えることです。