永住権の向こう側にあるもの

オーストラリア移住について

よく、「夢のオーストラリア永住権」とか「夢の海外移住」なんて言葉を耳にしますよね。

実際にこの国の永住権を取ってみてわかったことは、永住権取得すること自体を最終目的や夢にしてしまうと、いざ取ったあとに抜け殻になる可能性があるということです。

それに起因するのかどうかはわかりませんが、せっかく念願の永住権を取得しても数年後に日本に帰国してしまう人もいます。

これは、東大合格を夢にみて、がむしゃらに勉強したけど、いざ入学したら目標を見失って授業にも出席せず、結局中退しちゃった、なんてケースに似ているのかもしれない。

「夢の永住権、夢の海外移住。」

たとえば経済的に余裕があって、セミリタイアなんぞして海外移住をするというなら、それは夢のようなことかもしれないけれど、そんな生活を送れる人は日本人でもほんの一握りです。

そうそう、以前僕の知人がセミリタイアして、タイのチェンマイに何ヶ月か住んでいたけど、結局退屈だといって日本に帰ってきたことがありました。

仕事好きな日本人がセミリタイアするぞ!と意気込んで南国に移住しても、暇すぎてダメなんでしょうね。朝から晩までビーチに寝転んで、レモネード片手に本でも読んで・・・、なんていう生活に憧れる人もいますが、日本人って根本的にのんびりすることに慣れてないんですよ。海外移住する前は、あれだけ「のんびりしたい」と言っていたのに(笑)

それはそうと、

現実として、永住権を取得した後にも大多数の人は労働に勤しみ、子育てに追われ、経済的に自分や家庭を守るために生きていかなくてはいけません。

毎日サーフィンにダイビングにゴルフ三昧、週末にはBBQ・・・なんて、一般庶民には不可能な世界だと思うんですが、ひょっとしたらいるのかな?いたら、この記事はどうぞスルーしてください!

夢のオーストラリア永住権?

永住権の向こう側にあるものとは?

さっき、どこそこのオーストラリア関連の掲示板を覗いてみたら、「永住権を取って後悔している人います?」みたいなスレッドがたってました。思わずのぞいてみました。

「永住権取って後悔した」

口には出さずとも、そう思っている人って結構いると思います。実際、せっかく苦労して永住権を取っても結局日本に帰ってしまう人がいるわけですから。

永住権を放棄して日本に帰る場合、例えば、親の介護や高齢の親の面倒を見なければならなくなった、とか自分自身や家族の医療、病気の問題などの理由でということが考えられます。

こういった理由で帰国するのは、しょうがないと思います。家族の命にかかわる問題ですから。

でも、様々な事情や理由は個々にあるんでしょうけど、最終的に「やっぱりオーストラリアよりも日本がいい」と帰っていく人が存在することは確かです。

もちろん僕だってこの国にいつまでいるのかわかりませんけど、やっぱり30歳を過ぎて、13年間働いた会社を辞めてでも選んだ道ですし、こっちでちょっと嫌なことがあったからといって、帰ろうとは思いません。まだまだやりたいことはたくさんありますしね。

かく言う僕も、娘の教育をこちらで受けさせたかったのが移住の一番の理由でしたので、もともと、僕自身がこちらで永住権取ったら何をしたい、なんて深く考えたこともなかったと思います。

「夢の永住権、夢の海外移住。」

確かにここ数年は特に、オーストラリアの移民法がどんどんタイトになっているので、やっぱり永住権を取ること自体が夢みたいなことなのかもしれないけれど、永住権を取ったあとオーストラリアで何をするのか?、したいのか?、確固たるものをもっているならそれが一番いいです。

永住権というのは、この国に住む手段であって、目的は別にあったほうが絶対いい。

永住権は取ったけど、さてどうしようか?というスタンスだと、なかなか異国家異文化の中でずっと生活していくのは大変だと思うんですよね。

そうすると冒頭に書いたように、目的を失って、日本に帰国するということになりかねませんからね。

海外で住む、暮らすということは、そういうことを含めて大変なのですよ・・・

と、経験者は最近思うのです(笑)