オーストラリア人は健康か?

オーストラリアに住んでいると、様々な体型のオージーに出会います。

顔は超ちっちゃくて足はそれほど太くもないのに、体からお尻にかけて丸太ん棒みたいな女性や、日本じゃまず見かけないっていうくらいの、太っているのにホットパンツを履いてパツンパツンの太ももを晒している女性もいたり。

かと思えば、早朝からビーチ沿いのエスプラネードをジョギングしているスラッとした老若男女、はたまたレーサー仕様のロードバイクで颯爽と運転する男性軍団も見かけます。

ゴールドコーストでは、老若男女がサーフィンしてますし、ビーチ沿いの芝生の上では、ヨガや太極拳に励む人々をみかけますね。

また嘘か本当か、オーストラリアでは、7人に1人が毎週ジムに通っているというデータもあります。

おいおい、オーストラリアって健康志向の国なの?それとも不健康なの?どっちだよ?

「オーストラリアというと、健康志向な人が多いのかな」というイメージをお持ちの人もいると思いますが、実際のところどうなのでしょう?

僕なりに考察してみました。

オーストラリア人は健康志向か?、それとも不健康か?

オーストラリア人は健康か?

個人的な見解としては、オーストラリアにおいて健康志向の人とそうでない人の割合は、ぶっちゃけ3:7くらいだと思います。

自分の周りの人や、歩いている人の体型をみるかぎりでは、健康を気にする人は半分よりも少ないでしょう。

ジャンクフード大国のオーストラリア

ジャンクフード

オーストラリアは、世界でも肥満や太り過ぎの人口が最も多い国のひとつです。

OECD(経済協力開発機構)が2017年に発表した、OECD加盟国35カ国の15歳以上の肥満度ランキングでは、アメリカ、メキシコ、ニュージーランド、ハンガリーについで5位でした。
(ちなみに日本は最下位)

OECDのデータ

肥満や太り過ぎの原因は、運動不足もありますが、健康によくない食べ物、つまりジャンクフードの摂取、食べ過ぎによるものが大きいので、オーストラリア=ジャンクフード大国といっても過言ではないでしょう。

ジャンクフードが肥満に与える影響はかなり大きいです。

とくに世界的に、子供の肥満が増えている原因のひとつは、ジャンクフードであることは間違いないでしょう。

一応、ジャンクフードの定義をWikipediaでみると、

ジャンクフード(英: junk food)とは、栄養価のバランスを著しく欠いた調理済み食品のこと。高カロリー、高塩分だが、他の栄養素であるビタミンやミネラルや食物繊維があまり含まれない食べ物。「ジャンク」とは、英語で「がらくた」「屑」の意。

by Wikipedia

簡単にまとめると、

「食欲を満たすだけの栄養価の少ない、ガラクタのような食べ物。」

といえますね。

コカ・コーラ

アデレード大学のLisa Smithers教授が2018年に発表した研究によると、子供たちが1日に80分テレビをみるとすると、毎年800回以上のジャンクフードに関するコマーシャルを目にするだろうということです。

The research, led by the University of Adelaide’s Associate Professor Lisa Smithers and published in the Journal of Paediatrics and Child Health today, also showed that children were exposed to twice as much unhealthy food advertising as healthy food advertising.

The research found that children would view more than 800 junk food ads each year, if they watched 80 minutes of television per day.

 

高い頻度で目にしたものは記憶に残り、やがて食べたいという欲求につながります。

自分で食べたがるようになり、親にもジャンクフードをねだるようになります。

街中で、ジャンクフードを食べている人を見かけたら最後、店に直行ですね。

そもそもテレビで流れるジャンクフードの宣伝、実際のパッケージや店の看板はどれも、派手な色合いが多いので子供にも目に付きやすいのです。

謳い文句も派手なので、記憶に残りやすい。

健康食品のCMも流れていますが、なかなか子供たちにとっても目立ちにくいですね。

先程の研究によれば、子供がテレビをもっとも観る時間帯では、ジャンクフードのコマーシャルが流れる頻度や時間が健康食品の宣伝よりも2.3倍高かったとのこと。

During children’s peak viewing times, the frequency and duration of “discretionary” (ie, junk) food advertising was 2.3 times higher each hour than for healthy foods.

また、親がジャンクフードを食べていれば、自然と子供も手にするでしょうし、なかには幼児にジャンクフードを与える親さえいます。

オーストラリア人にとっては、スシを食べるときはお茶じゃなくてコーラを飲むのは普通のことですが、哺乳瓶にコーラを入れて幼児に飲ませている親を見かけたときはさすがに目を疑いましたね。

上の動画で説明していることを要約すると・・・

  • オーストラリア人は食べものから得る総取得カロリーの3分の一をジャンクフードから摂っている
  • オーストラリアでは、糖尿病が早死の原因のひとつである
  • 毎年4700ものジャンクフードに関する広告がテレビだけで流れている

もちろん、宣伝はテレビだけではないので、子供が目にする確率はもっと増えますよね。

親と一緒にスーパーに買い物に行けば、たくさんのお菓子のパッケージをみますし、フードコートにいけば、ハンバーガーやピザなどのフードチェーンが軒を連ねています。

オーストラリアでは、このような事態に対して、ある団体がジャンクフードの宣伝を抑えるように働きかけているようですが、民間のテレビ会社も利益を上げなければいけないので、なかなか難しいでしょう。

ジャンクフードの何がいけないか?

それは、栄養価が低く、かわりに糖分や塩分が高く、添加物や化学調味料たっぷり入っているからです。

とくに成長期の子供がジャンクフードを日常的に摂ることは、心身ともに悪影響を及ぼします。

糖尿病もその一つ。

オーストラリアの糖尿病患者は増え続けている?

太り過ぎや肥満になると、必然的に糖尿病患者が増えます。

Diabetes Australiaというサイトをみると、オーストラリアでは、1日に280人が糖尿病になっているとのこと。

これは、5分に一人が糖尿病になっている計算になります。

スゴッ!!

糖尿病には、1型、2型、そして妊娠糖尿病がありますが、全体の約90%は生活習慣病から引き起こされる2型糖尿病です。

現在、約170万人のオーストラリア人が糖尿病にかかっているといわれていますが、これに加えて、糖尿病予備群を加えれば、それはそれは恐ろしい数字になると思いますね。

太り過ぎや肥満が増え続ければ、糖尿病患者、そしてその予備軍も増えていきます。

糖尿病は悪化すると、合併症を引き起こす場合があり、怖い病気だというのはご存知のとおり。

ジャンクフードを食べ続け、健康を考えない食生活を送っていると、糖尿病患者も増え、それをサポートする家族などの負担も増えます。

個人の負担も増えますが、当然国の負担も増えます。

最悪の事態では、肥満、糖尿病がこの先増え続ければ、国の財政を圧迫し、医療費が高騰する可能性も考えられますね。

オススメの映画の紹介

オーストラリアの俳優デイモン・ガモーが1日に大量の砂糖を60日間食べ続けると体がどうなるかいうドキュメンタリー映画。

これは本当に面白くて、健康を考えるにあたってタメになる映画です。

実際、人間は、1日に平均でスプーン40杯もの砂糖を摂取しているといわれています。

砂糖を大量に摂ると体はどうなるのか?

この映画をみると、砂糖がどれだけ人間に害があるかということを思い知らされます。

昔、マクドナルドのハンバーガーを30日間食べ続ける「スーパーサイズ・ミー」という映画がありましたが、個人的にはこちらのほうが面白かったですね。

よろしければぜひ観てみてください。

オーストラリアアクセントですが、英語の勉強にもオススメですよ。

健康志向の食品や人も意外に多い

オーストラリアに長年住んでみて感じるのは、健康的な食品、体にいいと言われている食品が増えていること。

ここ数年で、ヴィーガン、グルテンフリー、デイリーフリーなんていう表示がパッケージに記載されている食品が増えましたし、レストランやカフェでも、その表示がたくさん見られます。

また、パッケージの片隅にHealth Star Ratingの星のマークがラベルされている商品も増えていますね。

Health Star Ratingのシステムは2014年にはじまったもので、2分の1区切りの最大5まで星のマークが示されており、簡単にいうと星の数が多いほど健康的な商品といわれています。

ヘルスレーティングのマーク

Health Star Ratingは、2014年のOECDと Australian Health Surveyの調査結果を受けて始まっています。

As a nation, our waistlines are growing. Today, Australia has one of the highest rates of obesity in the world with 63% of adults and one in four children being overweight or obese (reference: OECD June 2014 andy 11/12).

「国民のウエストラインはどんどん大きくなって、オーストラリアは世界でも肥満の比率が最も高い国の一つになり、今や成人の63%、4人に一人の子供が太り過ぎもしくは肥満である。」

ちなみに、Overweightは太り過ぎ、Obeseは肥満であるという意味です。

具体的な定義はWHO(世界保健機関)が定めていて、BMI(Body Mass Index:肥満指数)の数値が25~30までをOverwight(肥満1度)、30以上をObese(肥満2~4度)としています。

BMIの計算の仕方は男女とも、体重(キログラム)÷身長(メートル)✕身長(メートル)です。

例えば、体重70キロで身長1メートル75センチの場合は、70÷(1.75✕1.75)で、BMIは約22.85となります。

BMIの基準

参照:オムロンのHPより

一応、このシステムはオーストラリア政府、州政府が企業とコラボレートして関わっていますので、ある程度信頼してもいいと思います。

こういった政府の働きかけも影響してか、健康志向の人もちょっとずつ増えているような気がします。

なお、Health Star Ratingは、いろんな食品の会社が参加していますがラベリングは義務ではありません。

すべての商品に表示されているわけではありませんが、おおむね健康食品といわれているものにはついていますね。

オーストラリアのスーパーで買い物をする際には、ぜひチェックしてみてくださいね。

子供への食育の大切さを知ろう!

「食育」は大切で、子供のころにどんな食生活を送っていたか、何を食べたかというのは、その後の食生活や健康に大きく影響を与えます。

You are what you eatということわざからもわかるように、人間の健康は食べ物次第です。

どんなものを食べているかで、健康かそうでないかに分かれます。

とくに子供のうちは、食べるものを自ら選べないことが多いため、親が食べるものを管理し、健康で栄養のバランスを考えた食事を子供に提供する必要があります。

親が頻繁にジャンクフードを食べさせたり、バランスの良い食事を提供しなかったりすると、その子供はジャンクフードを食べ続け、不健康になります。

娘がオーストラリアの小学校に通っているとき、人参1本をランチに持ってきている子がいたり、ポテトチップスやチョコレートが昼食だったりする子がいたそうです。

人参1本はいいとしても(?)、そんな生活を子供のころから送っていると、成人になってもジャンクフードを食べ続ける人が多いでしょう。

そして、親になったときに自分と同じような食事をまた子供に与えて・・・、

不健康の連鎖は止まりません。

ジャンクフードを食べると、脳内にドーパミンが放出されて快感を得て、もっとジャンクフードが食べたくなります。

これが肥満や太り過ぎの図式です。

食育の大切さ、ジャンクフードと肥満の問題については、ぜひともTEDのPrizeを受賞したジェイミー・オリバーの「Teach every child about food」を観てください。

本当に考えさせされる動画で、ジェイミーの素晴らしいスピーチに感動すら覚えます。

最後にジェイミーがこう言ってスピーチを終えると、観客がスタンディングオベーションで彼をたたえます。

I wish for everyone to help create a strong, sustainable movement to educate every child food, inspire families to cook again and empower people everywhere to fight obesity.

設定で日本語の字幕もつけることができますので、とくにお子さんがいる方は時間があるときにでも観てくださいね。

オーストラリアで健康に生活するためには?

オーストラリアに移住して、しかも健康を保つには、どうしたらいいか?

これだけジャンクフードの誘惑の中で、肥満を防ぐには?

「健康な食品を食べ、適度な運動をして十分な睡眠をとり、ストレスのない生活を送る!」

っていえば、それで終わりですが、頭ではわかっていても実行するのってなかなか難しいですよね。

そこでオススメしたいのは、ミランダ・カーが実践している80対20の法則です。

健康に過ごしたいならミランダ・カーを見習え!?

オーストラリアを代表する女性モデルといえば、ミランダ・カー

日本のCMにも出ているので、日本人にも馴染みが深いですよね。

彼女が実践している美容や健康、食生活に関することは、SNSなどを通じて拡散されて様々なブームを生み出しています。

そんな彼女の美と健康に関するモットーは「80:20」。

ビジネスなどで使われる80対20の法則ですね。

下の動画3分40秒あたりから観てください。(動画を3分40に設定しています)

いちばん大切なのは、バランス。

健康には気にをかけているけれど、厳格に守りすぎないこと。

旅行に行けば、普段口にしないものでも食べるし、バランスを大切にしている。

食事の80%は健康なものを摂るようにし、あとの20%は甘やかして好きなものを食べます。

意訳してますが、こんな感じです。

あまりにも健康にいいものだけ、と決めて突き詰めてしまうと、ストレスがたまります。

ちなみに、3日坊主になりやすい僕自身はこんな生活を心がけています。

  • ジャンクフードや加工食品、清涼飲料水は基本的に食べない、飲まない
  • 良質な油を積極的に摂る(オリーブオイル、亜麻仁油、エゴマ油など)
  • 白砂糖は摂らない
  • 塩分控えめ
  • 週に数回は好きなものを気にせずに食べる
  • 毎日はムリでもオフの日には、1時間程度の散歩をする
  • エレベーターやエスカレーターではなく、なるべく階段を使う
  • 紫外線には当たりすぎない
  • 昼寝は30分以内まで
  • 寝る1時間前からはパソコンやスマホを見ない
  • 寝る前にストレッチをする
  • なるべく笑顔でいる

基本的には健康に良いものを食べて、ときには大好きなアイスクリームやチョコレート、ハンバーガーもいいのでは。

このミランダのモットー、大賛成です。

【あと書き】

友人が働いているハンバーガーショップに、朝から晩まで店にいて、ネットサーフィンしながら3食ハンバーガーとジュースで過ごしているツワモノがいます。

その生活をほぼ毎日続けているというからスゴイ!

むかし、マクドナルドを1日3回30日間食べ続けたらどうなるか?を実践した「スーパーサイズ・ミー」というドキュメンタリー映画がありましたが、もはや彼はそれを超えています。

何回かそのハンバーガーショップで見かけましたが、体型は・・・・言わずもがなです。

オーストラリアでは最近、肥満を減らすためにジャンクフードに課税しよう、という声も出ていますが、なかなか実現は難しいようですね。

ジャンクフードを扱う企業は大資本であり、国の経済や雇用を発展させてきたので、国や政府もいきなり課税するなんてできません。

実際に、砂糖入り(added-sugar 砂糖を足した飲み物)の飲み物に20%課税するという法案は却下されています。

とにかく、健康を維持するには、自分の体は自分で守るしかないってことですね。

また、自分だけでなく、家族や子供の健康を守るためにも、口に入れるものについては気をつけたいものです。

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