先日、日本人初の全米オープン優勝を成し遂げた、大坂なおみ選手の試合後のセレモニーでのインタビューがあちこちで話題になってますね。
試合後のセレモニーで、「(あなたが成し遂げた)現実は(抱いていた)夢と比較してどうですか?」聞かれて、冒頭で彼女はこんな発言をしています。
I am gonna sort of differ from your question.
I am sorry.
I know that everyone was cheering for her and I am sorry it had to end like this.
日本人らしい発言とも取れますが、最後の「I am sorry it had to end like this.」ってどんな意味でしょう?
sorryにはいくつか意味がありますが、今回は「こんな結果になってしまってゴメンナサイ」という謝罪の意味も取れるし、「こんな結果になって残念です」、という意味にも取れます。
ただ、後日NBCのトークショーに出演した際に、彼女自信が「apologize」と言っているので、今回は前者の意味になります。
In my dreams, I won in a very tough, competitive match.
I just felt very emotional and I felt like I had to apologize
日本人は謝りすぎ、とよく言われます。
一般的に、訴訟社会であるアメリカでは謝らない人が多いといいますが、はたしてオーストラリア人はどうなのか?
オーストラリア在住13年目の僕が、経験を踏まえて考察をしてみますね。
もちろん、異論は認めます。
はたしてオーストラリア人は謝るのか?謝らないのか?
出典:photo AC
オーストラリア人は謝るのか?謝らないのか?
ぶっちゃけいいますと・・・
人によります。
ハイ、終わり。。。
では、元も子もないので、いくつか例をあげて考察しましょう。
僕の経験上、オーストラリア人は、些細なことは謝りますが、自分が不利になるようなこと、は謝らない傾向にあると思います。
たとえば、すれ違ったときに肩がぶつかってしまった。
こういった些細なことについては、ほとんどのオーストラリア人は気軽に謝ります。
レストランで、注文と違ったものを店員が持ってきた場合でも、「Oh, I am so sorry」と何回か言われたことがあります。
ただ、集団やオフィシャルな場では、たとえば仕事に遅刻してきた場合や約束の時間に遅れてきた場合、謝るオーストラリア人をあまり見たことはありません。
そのことを咎める人も余りいないので、それで仕事に支障がでることも特にないですね。
以前日本で勤めていた会社で、始業時間に3分ほど遅刻した社員がいたのですが、課長がみんなの前で彼を立たせて、遅れた理由と、再発防止の具体策、そして謝罪を強要していました。
「オレは1時間、2時間の遅刻なら逆に許す。2,3分の遅刻が一番キライなんだぁ!!」って怒鳴ってましたが、いまだに意味がわかりません。
いずれにしても、オーストラリアではあり得ないことです。
その他、ことが深刻になればなるほど、謝る頻度は減る傾向にありますね。
僕は未経験ですが、信号待ちで車を止めていたら、後ろからオカマ掘られた→降りてきて「Are you okay? I accidently hit the gas instead of brake」とかなんとか・・・でも結局謝らない、というパターンも知り合いから何回か聞いたことがあります。
いずれにしても、欧米諸国特有の個人主義が関係しているとも考えられます。
あくまでも集団の中での一個人という認識が強い日本では、自分が遅刻したことによって周りに迷惑をかけた、という感覚。
これが僕の見解です。
Sorryの発音の仕方でも、度合いが異なる
日本語の「すみません」と同じように、ひとえに、Sorryといっても、その言い方によって、謝る度合いが異なってきます。
先ほどの例であれば、すれ違いざまに肩がぶつかったときのSorry。
これは、軽く「ごめんなさいね」って感じです。
ちなみに、Sorryよりもっと軽い感じの「My bad」という言い方もあります。
僕が働いているパン屋で、ドーナツ生地を作るときに水の量を間違えた同僚が「My bad!」といってました。
かなりカジュアルな表現ですが、日本語なら「やっちまった、わりぃ」みたいな感じで、半分独り言ような感じです。
これがひとたび、「I’m so sorry」, 「I’m terribly sorry」, 「I’m really sorry」になると、真剣に謝っている感じが伝わります。
言い方は、普通のsorryよりも大げさで、「I’m SO sorry」のSOを強く、ゆっくりめに発音します。
SorryとThank youの捉え方の違い
出典:photo AC
「すみません(すいません)」という日本語は、いろんな場面で使えてムチャクチャ便利な言葉です。
ただ、英語を学習する上では、この「すみません」がヤッカイな存在になることがあります。
たとえば、道を譲ってもらったとき、日本語の「すみません」の感覚で「Sorry」という日本人がいます。
ハイ、うちの妻のことです(笑)。
でも、この場合は「Thank you」のほうが自然ですね。
でも実際、ネイティブならThank youというところを、Sorryという日本人は多いです。
これは別に謝っているというよりは、単純に日本語のすいませんをSorryに変換して言っているのでしょう。
個人的にはコレが、日本人はすぐ謝ると思われていることにつながっている理由の一つだと思っています。
sorryとは関係ありませんが、ついでにもう一つ。
普通にThank youというところを、なんでもかんでも「Thank you very much!」という日本人も多いです。
別に悪いことではありませんが、ネイティブは余程のことがないと、very muchとかso muchはつけません。
道を譲ってくれたくらいだと、Thank you(どうも!)で済ますことが多く、Thank you very muchというと「That’s okay(大丈夫よ)」と返されることもしばしば。
こういったニュアンスは、日本の学校英語ではなかなか教えてくれないものです。
あと書き
オーストラリア人は謝るか?謝らないか?
結局のところ、人にもよりますし、シチュエーションにもよりますので一概に決めつけはできません。
謝りすぎといわれる日本人の中でも、あまり謝らない人もいます。
どちらがいいとか悪いとかいう話しではなく、日本人とオーストラリア人では、「謝ること」に対する考え方や謝罪文化が違うと思います。
個人的には、自分が悪いと思ったとき、相手に迷惑をかけたと思ったときは、素直にI’m sorryと言いたいものですね。