昼間はまだまだ暑い日が続いていますが、朝、晩はかなり涼しくなってきました。そろそろ夏の終わり、秋の訪れを感じる季節です。個人的には寒いのが苦手なので、これくらいの季節がベストなんですが、夏の終わりはいつも寂しいですね。
毎年この夏の終わりの時期にゴールドコーストのスナッパーロックスで開催されるのが、サーフィンの世界大会Quick Silver Pro(クイックシルバープロ)です。
サーファーなら誰もが知っている大会ですが、サーフィンをあまり知らない方のために少し説明を。
サーフィンの世界大会はいくつかありますが、その中の頂点に位置するのがWCT(ワールド・チャンピオンシップ・ツアー)と呼ばれる大会で、世界でたった32人の選ばれしプロサーファーがワールドタイトルをかけて戦います。ちなみに男子と女子で分かれます。
男子に限定すると、WCTの大会は毎年2月か3月にゴールドコーストで初戦が行われ、12月のハワイ・パイプラインで最終戦を迎えます。
毎年、パイプラインは大会自体が伝統があり、波のコンディションも良く、またチャンピオン争いが決着するため、かなり盛り上がります。初戦のゴールドコーストはパイプラインに比べると落ち着いていますが、初戦とあって、どの選手も気合が入ったライディングを見せてくれます。
今年は以下の11箇所で開催される予定です。
1.Quiksilver Pro Gold Coast 3月10日~21日(オーストラリア・クイーンズランド)
2.Rip Curl Pro Bells Beach 3月24日~4月5日(オーストラリア・ビクトリア)
3.Drug Aware Margaret River Pro 4月8日~19日(オーストラリア・ウエストオーストラリア)
4.Oi Rio Pro 5月10日~21日(ブラジル)
5.Fiji Pro 6月5日~17日(フィジー)
6.J-Bay Open 7月6日~17日(南アフリカ)
7.Billabong Pro Tahiti 8月19日~30日(タヒチ)
8.Hurley Pro at Trestles 9月7日~18日(アメリカ・カリフォルニア)
9.Quiksilver Pro France 10月4日~15日(フランス)
10.Moche Rip Curl Pro Portugal 10月18日~29日(ポルトガル)
11.Billabong Pipe Masters 12月8日~20日(ハワイ)
こうやって大会スケジュール見ると、かなり過酷ですよね?
ほぼ毎月大会が開催され、開催地によってそれぞれ波の質や大きさなどが違うので、選手たちは万全に体調を整えて、かつ戦略をたてて臨む必要があります。世界中で開催されるので移動も大変ですしね。
あとは「ケガ」に悩まされることも。サーフィンにかぎらず、どんなスポーツでもケガをすると試合に出られませんからね。実際に毎年ケガで試合に出れなくなった選手も結構います。
たとえば、去年12月に行われたパイプラインマスターではオーストラリアのBede Durbidge選手がワイプアウト(ライディング中にサーフボードから落ちてしまうこと)時に、腰をリーフ(海底のとんがっている岩!)にぶつけてしまい、そのまま病院に運ばれ手術。今年はいつ復帰できるかわかりません。
パイプラインの波は大きさもさることながらパワーがハンパなくて、しかも浅瀬の海底にもシャープなリーフがあるので、プロでもワイプアウトは危険なのです。
その他、去年のJ-bayでは、ミックファニング選手が試合中にサメに襲われたのも記憶に新しい事件でした。
まぁ、そんなこんなで1年中かなり白熱した試合が続くのですが、ゴールドコーストに住んでいる身としては、初戦のクイックシルバープロは生で観戦できる大会なので、暇があるときは足を運んでいます。
実際に世界のトッププロのライディングを生で見れる機会はあまりないので、サーファーの端くれとしてとっても貴重なんですね。
そして今年はなんと、このWCTの大会に初の日本人が参戦するということで、日本のサーファー界も盛り上がること間違いなしなのです!
彼の名は、Kanoa Igarashi(カノア・イガラシ)。
若干18歳です。スゴイ!快挙としていいようがありません!
WCTに日本人がエントリーされるなんて、まだまだ先のことかなと思ってましたからね~。夢のようです。
WCTに日本人がエントリーしたことは、例えれば、サッカーのワールドカップではじめて日本代表が出場できた時と同じくらいの衝撃といえばわかりやすいでしょうか。
日本人といいましたが、実は彼の国籍はアメリカです。ご両親は日本人なので体は100%日本人ですが、アメリカのカリフォルニアで生まれて育っており、ハンティントンビーチを拠点にサーフィンをしているので国籍はアメリカにしているんですかね。現実として、日本よりもアメリカのほうが環境的にもサーフィンはしやすいでしょうし。
スポンサーのクイックシルバーもKanoa選手を相当プッシュしているようで、会場には彼の写真がでかでかと飾ってありました。
こちらのサイトではカノア選手のお父さんのインタビューも見れますよ。
同じ、日本から海外に移住した身として、見知らぬ土地でここまで息子さんを育て上げることの苦労が理解できます。ご両親は本当に大変だったと思いますね。プロサーファーにするには、お金もかかるしね、ほんと尊敬します。
しかもKanoa選手、うちの娘と同じ年ということもあって、なんかちょっと感情移入しちゃいますね。
そんなKanoa選手、CTルーキーながら、なんと昨日行われたラウンド3を勝ち抜きましたよ!
昨日は僕も現地で少し観戦していたのですが、このヒートは時間の関係で見れませんでした・・・残念。。(昼間のフリーサーフィンで少し見れましたが・・・)
ということで、今年のクイックシルバープロは熱いです!
サーフィンを知らない人でも会場の雰囲気とか含めて、足を運ぶ価値ありますよ。
ちなみにKanoa選手はラウンド4の第4試合に出ます。
対するは、今世界で最もサーフィンがうまいと言われているジョン・ジョン・フローレンスと、ラウンド2でケリー・スレーターをやぶった、乗りに乗っているスチュアートケネディ選手。3選手とも素晴らしいライディングを見せてくれるでしょう。今から楽しみでしょうがありません。
今、ゴールドコーストに滞在している方は、ぜひ1度スナッパーロックスに足を運んでみてください!そしてKanoa選手を応援しましょう!今、スナッパーは波も良いので見応えあると思います。
見たいのはやまやまだけど、日焼けしたくないわ!という方はぜひインターネットで応援を!